もしも、スーパーのレジで自分の預金が引き出せたら、あなたは便利に感じますか?
イオンが2018年4月から、レジで自分の銀行の預金が引き出せる「キャッシュアウト」と呼ばれるサービスを始めるそうです。
わかりやすく言うと、「ATMに行かなくても、お買いものついでに自分の銀行から預金が引き出せる」ということになります。
実はこの制度、欧米では普通なんですよね。日本には都会だとそこら辺にATMがたくさん設置されていますので必要なかったのですが、外国はATMの数が少ないため、スーパーのレジで預金を引き出すことは一般的でした。ではなぜ、日本でも「キャッシュアウト」が導入されようとしているのでしょうか。
今回の記事では
- なぜ日本で「キャッシュアウト」が導入されるのか?
- 具体的にどのようなサービスなのか?
この2点について詳しく見ていくことにします。
なぜ導入される?
実は今までは、「銀行法施行規則」によりATM以外での預金の引き出しができなかったのですが、規制緩和でレジでも引き出しOKになりました。そこで、日本電子決済推進機構がレジでの現金引き出しサービスをイオンにお願いする形になりました。
導入の狙いとしては、都心部よりも地方での利便性向上を期待しているみたいです。地方だとATMの台数も限られるので、もしスーパーのレジで引き出せるようになれば高齢者等には嬉しいサービスとなるでしょう。
また、利便性以外の狙いもあるようです。日本は諸外国と比べても現金主義が色濃く残る国家です。日本電子決済推進機構はこのキャッシュアウトを機に「キャッシュレス社会」の流れを加速させたい狙いがあります。
キャッシュアウトは、レジで銀行のキャッシュカードが必要になるので、クレジットカードよりもデビットカードの方が活躍します。現在の日本でデビットカードを使っている人口は保有率16.4%、利用率5.8%(JCBの調査)と非常に低い水準となっています。そのため、もっとデビットカードを使ってほしいという思惑があるそうです。
具体的にどんなサービスなの?
次に、キャッシュアウトの具体的なサービス内容について見ていきます。
2018年4月からイオンの1部のレジ(食品レジを除いたサービスカウンター等のレジ)で始め、順次取り扱うレジや店舗を増やしていく方針です。
レジに入っている現金を引き出すためATMのように大金を引き出すことはできず、1000円単位で数万円まで引き出せるようになる見通しのようです。
取り扱う金融機関もおそらく最初はイオン銀行やメガバンクが中心になり、順次取扱金融機関を増やし、最終的には1000以上の金融機関に対応したい考えのようです。
買い物+引き出し、あるいは引き出しのみの利用もできる方向で調整中で、引き出し手数料をいくらにするのか、あるいは無料なのかも検討中です。
心配・反対の声も多い
新しい制度やサービスが始まるとなると、当然批判的な意見もあります。
セキュリティの観点からいえば、「暗証番号入力時に後ろに人がいるのは危ない」であるとか、「レジの人間が信用できない」なんて意見もあります。
効率の観点からは、「ただでさえ混んでいるレジが余計に混雑する」、「ATMの台数を増やした方が良い」という声も。
キャッシュレス決済の観点からは「レジの現金を増やすことも、現金を引き出す機会を増やすこともキャッシュレス社会を逆行している」、「むしろカード決済しかできないレジを作るべきだ」というなかなか的を得た意見もありました。
いかがでしたでしょうか。今回は2018年4月から導入される新しい現金引き出しサービス「キャッシュアウト」を特集しました。
個人的には現金を使うのはラーメン屋さんくらいしかないので、あんまりこのサービスにありがたみは感じません。キャッシュレス決済を早急に推進してほしいですね。レジでちまちま現金払いする行為は、並んでいる他のお客さんにも迷惑ですし、お店側としても1人あたりにかける時間が長くなるので、経済的にも良いことではありません。現金がなくなる時代が来てほしいなと思っています。
最後にキャッシュアウトに関する動画を置いておきますので、ご覧ください。
↑ANNのニュース映像です。